かごぼん具'

おでかけにっき

サッポロビール博物館

15回目ともなるとメジャーな観光地はほとんど巡ったのだけれども、ひとつだけメジャーすぎて未踏の場所があった。

札幌から地下鉄東豊線で栄町方面へ2駅目、東区役所前下車。徒歩10分、サッポロビール園到着。恐らく、このルートで此処を訪れる道外観光客は滅多に居ないだろう。ふつうは駅からサッポロビール園直通バスか。

レンガ造りの建物は製糖会社の工場として1890年に建てられたもの。

ビール園に用はない。ビール博物館を見学したかったのだ。サッポロビールが運営する我が国におけるビール醸造の歴史博物館。見学無料。せっかくなのでガイド付きを選択。

ホップ畑

概要。我が国のビール醸造は国策により開始。当時の日本にビールの味を知る人は居ても、製造方法を知る者は居なかったと思われたがよく探したら一人だけ見つかった。江戸末期にヨーロッパへ密航してドイツビールの製法を学んだ中川清兵衛氏。彼の醸造技師としての月給は現在の貨幣に換算して約百万円。工場は当初、東京に作られる予定だったが、北海道に野生のホップが発見され、ビールの原料ホップの栽培に適した北海道苗穂に最初の工場が作られた。当時のビールは酵母が生きたまま出荷され、コクがあってずしりと重い味わいだった。日本人に受入れられるか心配をよそにブレイク。量産に踏み切ったら瓶が足りない。輸入ワインの空き瓶とか色々リサイクルで対応。国内需要に応えるため東京の隅田に第2工場を建てた。「いまアサヒビールさんの本社が建ってます」とのこと。
参考画像 金色のビルがアサヒビール本社

国営は10年で終わって、民営化したとき札幌麦酒になった。大小様々なビールメーカーが乱立してきたので政府が合併してまとめろと言ってきた。札幌麦酒は、恵比寿とアサヒと合併し大日本麦酒として再スタート。ところが今度は大きくなりすぎて独占禁止法に引っ掛かるくらいになり、政府が分割しろと言ってきたので、アサヒを経営分離した。それで隅田の工場はアサヒビールになったのか。元々は同じビール会社だったサッポロとアサヒ。また、ヱビスはサッポロの一ブランドとして今も存続。

歴史はこんなところ。あと、生ビールの開発やラベルや看板やポスターの説明があって、美味しいビールの注ぎ方実演。ビアグラスを洗剤で洗って油脂を落とし、逆さにして自然乾燥。グラスと缶ビール(黒ラベル)を一緒に冷蔵庫で冷やす。缶ビールを開けて、グラス上方20cmぐらいの高さから勢いよく注ぐ。グラスの七分で一旦止め、泡とビールの比率が1:1になったら5cmぐらいから九分まで注ぐ。泡とビールの比率が1:1になったら静かにぜんぶ注ぐ。適度に炭酸が抜けてクリーミィでマイルドな口当たりとのど越しのコクが活きてくる。以上

見学後の試飲は有料。フラッグシップの黒ラベル、北海道限定のクラシック、ビール博物館限定の開拓使麦酒の3種類あって各1杯200円。おつまみ付き。迷わず3番目にした。黒田清兵衛氏が醸した味を再現。コクがあって美味かった。

ぜんぶ飲みたい人向けに、やや小ぶりのグラスに3種類セットで500円いうのもあった。

来館記念に創業当時のラベルを模した素焼きのタンブラーとか買おうかと一瞬思ったけれど、よく考えたらビール飲む習慣無いから思いとどまった。それにしても、マラソン疲労困ぱい&空きっ腹(昼メシ抜き)にアルコールは堪えた。200mlぐらいしか飲んでないのに一気にだるくなった。