とある5月のよく晴れた午後、佐々堤を見てきた。カブで。
織田信長の家臣だった佐々成政が越中に赴任していた頃、常願寺川の水害から民を守るために築いた堤防。4世紀経つ間に常願寺川の川底が5m高くなってしまい、堤も地中に埋もれて人々の記憶からも消えていたが、常西用水を整備したときに発掘され、そのまま用水の川底として現存する史跡。
用水を斜めに横断している玉石の川底が佐々堤の名残り。
大きな玉石がぎっしり詰まっており、現代の工法にもひけを取らない耐久性をもつことは400余年の歴史が証明。
成政公の名前を刻んだ礎石が埋まっているらしい。
まだ陽が高かったので、呉東の円筒分水を一気に見てきた。
釈泉寺円筒分水槽
立山に降った雪が融けてできた大量の水を正確に二等分する仕掛け。
生き物のように湧き出る水
周囲は公園のように整備されているが、高級車や大型バイクでは進入をためらうような農道を通らないと来られない場所にある。
東山円筒分水槽
こちらは完全に観光地。マイクロバスの駐車場も完備。
昭和29年竣工と意外に古い。
水は三等分される。
無限に湧き出る水はいつまでも見ていられる。
円筒分水を見るなら雪解け水が豊富な春がベストシーズン。
立山連峰と撮ってみた。
日本一美しい円筒分水の異名は伊達じゃないな。
貝田新円筒分水槽
看板はあるが人っ子ひとりいない。
というか、観光地化されている東山円筒分水が希有なのだ。ふつうは円筒分水マニアぐらいしか来ない。
東山円筒分水の親分水に当たる。
生命の危険を感じる程の水が轟々と音を立てて整斉と分かれて用水路へ吸い込まれていくだけの施設。或る意味工業的な清廉さを感じる。
先日の赤祖父円筒分水とあわせて富山県のメジャーな円筒分水をGWで巡った。もうひとつマイナーな円筒分水があるのだが、次の機会にしよう。
おまけ
劒岳と水田