かごぼん具'

おでかけにっき

南伊豆の断崖絶壁に佇む縁結びの祠を訪ねて

こんにちは。ゴールデンウィークが終わったいま頃の季節は一年で最も快適で、ロングツーリングには絶好のシーズンです。今回、関東在住5年目にして初めて伊豆半島を走ってきました。


4時55分起床

矢張り、遊びだとパチッと目が覚める。軽く朝食を済ませ、出発したのが5時50分頃。昨晩降っていた雨の所為で路面はウェット。だが心は澄みきった空のようにカラッと晴れ渡っていた。早朝の常磐道北陸道並みに車が少なく走りやすい。三郷JCTから外環道へ。Google Mapsで検索するとC2〜6号線〜都心環状が最短最安とか出るが、万年渋滞の小菅JCTや江戸橋JCTを通るなんて時間とガソリンをドブに捨ててるようなもの。常磐道から東名へ抜ける最速ルートは、外環道〜5号線〜中央環状の一択*1であろう。

中央環状の地下へ潜る辺りで出発から1時間が経過した。熱気のこもった地下高速を抜け、大橋JCTをアグレッシヴに旋回して3号線。あり得ないくらいスムーズに流れている。GW初日の昼過ぎに通ったときなんか、大橋JCT手前4kmから厚木インター過ぎるまで長い駐車場だったことを思えば雲泥の差だ。

ほぼ8時に沼津インターを出た。2008年版ツーリングマップルには載っていない伊豆縦貫道に入ってみたが、戻らされてるような気がする。程なく国道1号線三島市街へ下って国道136号沿いのガソリンスタンドにピットイン。約230kmをノンストップ、2時間半かかった。スタンド店員がバイクのナンバーを見て驚き*2、何時出発したのかと言う。「茨城県つくば市に住んでるんですよ」と答えた。これから何処へ行くのか?「真ん中突っ切って下田へ抜けて石廊崎を目指します」バイクなら一日で海岸沿い一周できるねぇ、車はムリだけど。「渋滞嫌いなんで正午過ぎたら帰ろうかと思ってます」みたいな会話。

国道136号をバイパスする有料道路の伊豆中央道および修善寺道路を駆使して南下。国道414号線に入って、ツイスティなワインディングをぐいぐい登っていく。天城越えって此処だったのか。トンネルを出て今度はどんどん下っていく。前を走る伊豆ナンバーのデミオが結構なペースを保っている。地元ピープルか、毎日こんなとこ走ってたら速くなるわな。突如、ループ橋が現れた。2回転も旋回した。すごい!!本日前半戦のハイライト決定。

いつの間にか県道14号線に入っていて、道間違えたかと思ったけど結果的に正解だった。国道414号線の南端15kmは悪路のようだ。突き当たりを右折して国道135号線、海沿いの快走路。太平洋って黒いんだ。リゾート系のビーチが点在するシーサイドライン。夏場は混みそう。

9時40分頃、道の駅開国下田みなとで休憩。まだ10時前だよ。小腹が空いた。こんなときのために、ジャケットのポケットにシリアルバーを2、3本常備している。1本食べて出発。

10時20分、石廊崎港の駐車場にバイクを停めた。

岬の東側にある細長い入り江。奇岩など景勝地を巡る遊覧船は運航見合わせ。いい天気なのに…

石廊崎へは歩いていくしかない。整備された石畳みの遊歩道を登る。ふと見下ろすと、紅の豚に出てきそうな景色が眼下にあった。ステキすぎる。

遊歩道を登りきると廃虚があった。バブリーな頃に乱立したテーマパークだろうか。立地を考えると保存状態はかなり良い。最近まで営業してたのかな。とか考えつつ歩いていくと、鳥居があった。狛犬もいる。更に進む。
やっと灯台が見えた。

灯台を横目に見つつ下り、岬の稜線に出た。
風が強い!!
暴風と形容していいレベル。ナチュラルに生命の危険を感じた。成程、この風じゃ遊覧船は出せないな。

自然の驚異

どっぱーん!!

断崖絶壁の縁にへばりつくような遊歩道。あの先端に縁結びの祠がある。

えー、この強風であんなところ歩くの?

楽しそう。*3

嬉しくてちびりそうな階段

石室神社本殿

宮司さんが店番をしておられた。

岬が風よけになってる東側は比較的穏やか

よく見ると、あり得ないところに釣り人が!!

突端から太平洋を望む

水平線が丸く見えるような気がするのは・・・たぶん歪曲収差。左に見える島っぽいのは神子元

縁結びの神様、熊野権現の祠

むかしむかし、石廊崎の近くに住む名主の娘が漁師の青年と恋に落ちたが、身分の違いで許されぬ恋であったため、青年は神子元島へ島送りにされた。二人はお互いを想い、毎晩火を焚いて愛を確かめあっていた。ある日、神子元島の火が見えないのを案じた娘が小舟で島へ渡ろうとして、今日みたいな暴風のため遭難したが、一心に祈ったおかげで島へ漂着し、二人は目出度く結ばれましたとさ。

という言い伝えがあり、娘が火を焚いていた岬の突端に祀られたのがこの熊野権現。近代人が客寄せにあつらえた縁結びの神様かと思ったら、由緒正しい歴史があったのか。これは御利益がありそうだ。でもよく考えたら縁を結ぶ相手が居ないので、旅の安全を祈って石室神社交通安全ステッカーを保護した。

伊豆半島の南側は日本の海運の要所であり、荒れ狂う海原をものともせず多数の船が往来している。

からして小型のタンカーのようだが、沈みかけてるようにも見えるが、大丈夫なの?

海の安全を守る石廊崎灯台

このあと、団体さんが大挙してやって来るのが見えたので帰った。

石郎崎から20分程走ったところにあるレストラン「びゃく」で、ツーリングマップルお薦めのあなご丼を食した。

食べ終わってやっと正午。さーて、帰るか。

復路は国道136号線を時計回りに辿り、伊豆半島の西側を走った。対岸の本州がうっすら見えた。朝見えていた富士山は雲に隠れてしまっていた。伊豆半島の道の雰囲気は奥能登そっくり。違うのは地元ピープルの車がハイペースなこと。おかげで気持ちよく走ることができた。伊豆は感性に合ってるな。

三島へ来たついでに気になっていた柿田川湧水を観ようかと思ったが、駐車場に入るだけで大渋滞だったためスルー。柿田川を観るためだけに来るくらいじゃないと厳しそう。14時過ぎに再び東名高速、海老名SAでぐったり水分補給。いつもお世話になってるさいたま市のバイク店へ寄り道し、常磐道守谷SAで給油して帰筑。631km・約12時間のツーリングだった。梅雨前にもう一度行きたい。

*1:あくまでバイクの場合。車だと大橋JCTで渋滞参加必至

*2:北陸地方のナンバーなので

*3:ブロガーは高い所大好き